福岡大学の特色と理念

福岡大学の母胎となった福岡高等商業学校は、昭和9年に創立されました。在学生数2万人余、卒業生22万人余を輩出しています。

現在の本学は、人文学部、法学部、経済学部、商学部(第二部を含む)、理学部、工学部、医学部、薬学部、スポーツ科学部の文系・理系双方にまたがる9学部31学科、大学院10研究科32専攻から構成されています。しかも、全学部が同一キャンパス内に設置されている特徴をあわせもっています。そのため学生は多様な分野の科目を履修することができ、学際的な教育研究に触れる機会が多く、こうしたことから、本学の学部配置は幅広い知識と科学倫理を持った人材の育成に大きな効果を発揮しています。また、研究機関としては分子腫瘍学センター、資源循環・環境制御システム研究所、都市空間情報行動研究所、高機能物質研究所が設置されており、これらの研究所も学生の知的関心を大いに刺激する場となっています。

今後、本学が独自な特色を持って発展していくために、本学は以下のごとき理念と目標を新たに掲げました。

すなわち、福岡大学の理念は、

  1. 人材教育「(Specialist)」と「人間教育(Generalist)」の共存
  2. 学部教育「(Faculty)」と「総合教育(University)」の共存
  3. 地域性「(Regionalism)」と「国際性(Globalism)」の共存

であり、これらの理念を踏まえて進む本学の目標は、

  1. 学術文化の探求と発展を担う知識人の育成
  2. 高い事務能力を備えた有能な職業人の育成
  3. 国民の健康増進への寄与と地域社会への医療奉仕
  4. 学際的な研究成果を発信する情報拠点の構築

です。

総合大学である本学では薬学部学生に対する共通教育が主として、人文学部、理学部、スポーツ科学部に所属する教員によって行われます。このことは、薬学部学生に対する人間教育の幅を拡げることになり、本学教育の特色の一つとして挙げることができます。

その他、教育研究支援のための総合情報処理センター、RIセンター、アニマルセンター、言語教育研究(LL)センター、留学生教育センター、および健全・健康生活支援のための健康管理センター、ヒューマンディベロップメントセンター、環境保全センターなどが全学共同利用施設として設置され、それぞれに学生生活の充実に寄与しています。中でも健康管理センターは、学生・職員の健康管理だけでなく、診療所を併設し糖尿病などの慢性疾患の外来診療を行っていることから、診療所との連携を図ることによって医療職としての薬剤師教育に活用していくことにしています。

薬学部薬学科の特色と理念

薬学部薬学科の教育研究の理念と目的

薬学部薬学科は、「医薬品の開発や安全使用に関する基礎的、臨床的先端研究の推進をもって国民の健康と福祉に貢献すること」を教育研究の理念とする。この理念に基づき、「医療技術の高度化、医薬分業の進展に伴う医薬品の安全使用及び医療の担い手としての質の高い薬剤師の育成という社会的要請に応えるため、基礎科学の総合を基盤としながら、医療人としての使命感と倫理観を十分に理解し、高度な薬学の知識を身に付け、臨床に係る高い実践的な能力を備えた薬剤師、並びに教育・研究者を養成すること」を教育研究上の目的とする。

薬学部、薬学科の3つのポリシー

薬学部のディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

薬学部の教育課程においては、以下に掲げる能力を備え、厳格な成績評価のもとで所定の単位を修得した学生に卒業を認定し、学位を授与します。

  1. 幅広い教養と基礎的科学力を身に付け、高度な薬学の知識を理解している。
  2. 薬の専門家として必要とされる臨床に係る高い実践的能力を備えている。
  3. 教育・研究能力を有し、医療人としての倫理観、使命感、責任感を持っている。

薬学科のディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

薬学科は人材養成および教育研究の目的を達成するためのカリキュラムを策定している。開講科目に対して厳格な成績評価を行い、薬学部が設定した共通教育科目および専門教育科目に関して所定の単位を修得した者に対して学位を授与する。

卒業までに身につけるべき資質は以下の通りである。

【知識・理解】

  • 物理・化学・生物に関する科学的知識を理解している。
  • 薬剤師として必要とされる高度な薬学的知識を理解している。
  • 人文科学・社会科学・自然科学についての基本的知識を理解している。
  • 社会のグローバル化に対応するための外国語科目に加え、科学英語を理解している。

【技能】

  • 他者との信頼関係を築くためのコミュニケーション能力を備えている。
  • チーム医療における薬剤師としての基礎的な職能を備えている。
  • 最適な薬物療法を提案する能力を備えている。
  • 地域における人々の健康増進や公衆衛生を管理できる能力を備えている。

【態度・志向性】

  • 医療人としての倫理観、使命感、責任感を持っている。
  • 教育・研究能力を有し、生涯にわたり自己研鑽する意欲を持っている。
  • 次世代を担う人材を育成する意欲と態度を持っている。
  • スポーツや運動を通じて、心身の健康維持・増進を目指す姿勢を持っている。

薬学部のカリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

1) 教育内容

薬学部のカリキュラムは、広い視野と豊かな人間性・倫理観を養うための総合教養科目や保健体育科目、社会のグローバル化に対応するための外国語科目、基礎薬学、衛生薬学、医療・臨床薬学などの専門教育科目と実習、薬物療法における実践的能力を養うための実務実習、問題解決能力を養うための卒業研究、高度な薬学専門知識を涵養するための薬学アドバンスト科目から構成されている。

2) 教育方法

授業科目を共通教育科目と専門教育科目に分け、それらを体系的に編成し、講義、演習、実習を適切に組み合わせた授業を行う。すべての科目に一般目標(GIO)、複数の到達目標(SBO)、授業計画を設定し、予習・復習による学修効果を高める。実習科目では、少人数制で実践的な技術や技能を習得させ、自己表現力、コミュニケーション能力、問題解決能力・研究能力を養うためにスモールグループディスカッション(SGD)、ロールプレイ、プレゼンテーションなどを行う。

薬学科のカリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

1) 教育内容

薬学の学位(教育)プログラムにおけるカリキュラムは、ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)に掲げた薬の専門家として必要とされる【知識・理解】、【技能】、【態度・志向性】を段階的、発展的に身に付けることができるように編成されている。

  • 医療人である薬剤師としての意識を高め、コミュニケーション能力を養う科目を開講する。
  • 広い視野と豊かな人間性・倫理観を養うために幅広い共通教育科目を開講する。
  • 社会のグローバル化に対応するために、共通教育科目の外国語科目に加え、科学英語を学ぶための薬学演習や薬学研究を開講する。
  • 基礎・創薬科学から衛生薬学および医療・臨床薬学に関する知識、技能を体系的に学べるような科目と実習を配置する。
  • 薬剤師として必要とされる薬物療法や地域の保健・医療における実践的な知識、技能、態度を修得するために、実務実習を開講する。
  • 研究課題を通して、問題解決能力・研究能力を養うことと人格形成のために、薬学研究を開講する。
  • 高度な薬学専門知識を涵養するために、薬学アドバンスト科目を開講する。

2) 教育方法

  • 「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に準拠した科目と本学部独自の科目を体系的に編成し、講義、演習、実習を適切に組み合わせた授業を行う。
  • 講義、演習科目では、定期試験に加え、小テストやレポートなどの課題を課すことで予習・復習による学修効果を高め、知識の到達度を定期的に確認する。
  • 実習科目では、講義科目に対応した内容を少人数制で行うことにより、専門知識を高め、実践的な技術や技能を習得させる。
  • 自己表現力、コミュニケーション能力、問題解決能力・研究能力を養うためにスモールグループディスカッション(SGD)、ロールプレイ、プレゼンテーションなどアクティブラーニングを多様な形で実践する。

アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)

求める人材像(求める能力) A知識・理解 B技能 C態度・志向性 Dその他の能力・資質

A 知識・理解

高等学校の教育内容を幅広く学修しており、探究心旺盛で科学に関する素養を有する人

薬学科で学ぶ講義の前提知識として、高等学校までに学習する教科の基本的な知識は重要です。特に、生物・化学・物理の知識は、薬学において必須の知識となるので、入学までに十分理解しておくことが望まれます。物事の現象に対して、『なぜ?』と疑問に思うことが学問の前提です。高校生の間に、身の回りの様々な疑問・問題点を自分自身で積極的に調査し、その答えを導き出す姿勢、つまり探究心を育てておくことが重要です。なお、薬学科では将来優れた医療人となるために、入学試験に課されていない科目であっても幅広くしっかりと学んでおくことを望んでいます。

B 技能

患者ならびに医師をはじめとする医療関係者と適切に連携できるコミュニケーション能力を備えている人

医療は、医師をはじめとする多くの医療関係者との密接な連携により実現されています。その際、確かな根拠に基づいた自分の考えを、相手にわかりやすく簡潔に説明することが重要です。また、患者やその家族に対して薬や症状の情報を説明する際においても同様です。それゆえ、日本語の読解力や表現力を高めることが必要であり、高等学校での国語を中心とした科目により習得する能力は薬学科でも不可欠になります。日頃から、友人や先生、家族と積極的にコミュニケーションをとり、他人の考えを的確に理解し、自分の考えを論理的に主張できるよう心がけておくことを望んでいます。

C 態度・志向性

思いやり、倫理観、使命感そして強い責任感を備えている人

将来の医療人として、他人の考えや気持ちに思いを寄せることができるようになって下さい。また薬学部を卒業すると、将来的に人の命に携わる職業に就く可能性が高いでしょう。薬剤師や薬学研究者は人の命にかかわる仕事であり、少しでも使い方を誤れば、人の生死も左右してしまう薬を扱う仕事です。それゆえ、常に相手のことを考え行動する高い倫理観、自らが患者の治療に携わっているとの使命感や責任感を持つことが重要です。これらの多くは、高等学校の授業で直接的に習うものではなく、部活動などの学校生活や日常の生活において常に意識しておくことで身についていくものです。

D その他の能力・資質

医療業界のグローバル化に対応するため英語の資格を取得した人やスポーツや生活習慣を通じて、心身の健康維持・増進を目指す姿勢を持っている人

医療業界を取り巻く環境は、グローバル化が進んでいます。患者も日本人のみとは限らず外国人も増えています。また、医療関係の最新論文の多くは英語で書かれています。それゆえ、薬学科では英語の4技能(読む、聞く、書く、話す)を総合的に活用できる人を望んでいます。加えて将来医療人になる者が自身の健康に無関心では、患者に対して説得力のある医療を遂行できるとは思えません。よって、薬学科では普段から自身の健康維持・向上に心がけている人を望んでいます。

入学者選抜のねらい

薬学部薬学科は、基礎科学の総合を基盤としながら、将来医療人になるべく倫理観、使命感そして責任感を十分に理解できる人材を国内外から広く受け入れます。そのために、これまでに培われた基礎学力、活動や経験を通じて身につけた能力、技能、学ぶ意欲を、多面的・総合的に評価する多様な入学試験を実施します。